2006年09月07日

うつ(鬱)に悩む人

○ どんな人でもうつになる可能性がある。

(「うつ」をやめれば、楽になる。 フランク・ミナース著) から

 この若い女性は、アメリカの一番の健康上の問題「うつ」を患っていました。
 精神科医として私たちが診る患者の数は、その他のこころの問題を抱える人たちを全部あわせた数よりも多いのです。

大半のアメリカ人は一生のある次期、深刻なうつを患います。そして現在、アメリカ人の二十人に一人がうつという診断を受けているのです。
 もちろんもっと多くの人がうつ状態にありますが、治療や援助を受けていません。 ある推定によれば、アメリカ人の十八歳から七十四歳の人口のうち、2000万人がうつ状態だと言われています。

うつは自殺のおもな原因であり、事実、うつを患った人の十五%が自殺を図る、と言われています。

うつは今日、アメリカの死因の十番目にあげられ、大学生の間では死因の二番目にあがっています。

うつは男性より女性に二倍多く見られ、また経済的にクラスが高い人々には三倍多く見られます!

うつは普通四十代、五十代で発症しますが、幼児期から高年齢層までストレスが多い時期にはいつでもおこり得ます。

 2006年09月10日

「毒になる親」(スーザン・フォワード)

虐待する親、無視する親、責任を果たさない親、コントロールしすぎる親、などなど、子どもにいかに悪影響を与えるか、タイプ毎にわけて、ケースつきで説明している本でした。
原因を刷り込まれるのは幼児期で、結果は成人になっても、えんえんと影響し続けます。
簡単に言うと、自分に対する基本的な自信が薄く、ポジティブで落ち着いた自己像をもつことが困難になります。
このマイナスの影響は、本人が成人になって、自覚できてる場合もあれば、無意識に抑圧されている場合もあります。
いずれにしろ、その解決は、簡単ではないようです。
この幼児期に植え付けられたトラウマを開放するには、親と「対決」しなければならないか、否か。
あるポジティブ思考の自立派は、親の育て方の影響を受ける、とは言え、「どのような影響を受けるかも、自分で選択した」と考えます。
過去を振り返らないで、未来を見つめろ、という主義である。
だから、子の側から、親を許し、感謝することによって、この呪縛を開放しようと、します。

この著者は、そういう考えは「正しく」ないし、機能しない、としています。
次の子の世代に受け渡さないためにも、自分が心から開放される必要があり、それには、対決が必要なんだと、何千もの症例の経験から主張します。

対決、って大変だなぁ、と思っていると、
対決の方法は、3種類。
(1)直に面談し、自分の思いを余すことなく、伝えて、謝罪を求めること。
(2)手紙を書く。
(3)ロールプレイで親に面談で伝えるシーンを演じる。
手紙を書くことで、開放される効果が出るのだったら、現実的な解決方法だなぁ、と思いました。


○ この記事に対して、次のようなコメントと、そのフォローがありましたので、、追記します。
(コメント)
私はその本の著者の意見には賛成できませんね(笑)
読んでいないので、何ともいえませんが、戦うことをしてる限り、お互いにいい影響はないと思います。
相手を攻めるのではなくただしい主張法を使っているなら話は別ですが。
 確かに親の影響力は大きいです。ですが、毒を吐く親も好き好んでそうなったわけではないと思います。
どの親だって子供を愛しています。ただ上手く表現できない苦しさやもどかしさから毒を吐く結果になっていまうんだと思います。
 私は許す、受け入れる派です。許すことはたくさんの富を生み出します。
(コメントへの回答)
真摯なコメントをありがとうございます。
毒を吐く親も好きでそうなったわけではない、とおっしゃるとおりです。
著者もそのことは十分わかっていることで、この本は親を糾弾するための本ではないのです。影響を受けた子どもがいかに回復するか、ということをテーマにした本です。
親も、その親から受け継ぎ、その親もまたその上の親から受け継いで来てしまっている可能性が高いのです。
この本は、戦いを進めているわけではなくて、その連環を、自分の代で断ち切るために、解決しなければならない、ということを勧めているようですよ。
自分の子に、同様のことを引き継がないために。
「どの親だってこどもを愛していますよ」というのは、「一般化」しすぎているのではないでしょうか。
3種類あると思います。「子どもを正しく愛することが出来ている」「愛していると思っているが、実際には(自分の無意識が行うことなので)傷つけている」「自分で悪いと思いながらも、自分のことで精一杯で、良い親としての行動がとれない」というように。。。
Tさんが言っているのは、2つめのケースでしょうか。
ちなみに、この本では、アルコール中毒の親、暴力を振るう親、性的行為をする親、という範疇まで含めて分析しています。
愛する、というのは、単なるこころの状態を表す形容詞、ではなくて、「動詞」なんだと思います。ということは行動になって現れないと、いけないのです。
行動は結果を生みます。
結果が、毒を吐いてしまう、ということでは、愛が十分ではないのだと思います。
歪んでいるのです。
この本も、最終的には、親を受け入れ、許すことを目的にしています。
そのステップとして、一度対決する、ということを主張しているだけなんです。
その正否は、著者の臨床経験から、そうだ、と言っているので、そうですか、と読んでいます。
そのステップを踏まないで、許す、受け入れる、ということが実際に可能ならば、それはもちろん、それが一番です。
僕は、傷の深さ、現在の回復度、そして親の状況によるんだろうな、と思っています。
どうやれば、毒になった親を許すことが、できますか?

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